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カラダ中に運ばれたコラーゲンペプチドは、以前は「カラダのコラーゲン組織をつくる材料になる」と考えられていました。しかし今は、「コラーゲンペプチドが何らかの“シグナル(命令)”を細胞に送り、その細胞を活性化させる」という考え方が主流になっています。

コラーゲンがカラダに吸収されるしくみ

コラーゲンがカラダに吸収されるしくみ

特に多く吸収される2つのペプチド

これまで、タンパク質はすべて体の中で、バラバラのアミノ酸に分解されると考えられていました。しかしコラーゲンは、他のタンパク質とは異なり、かなりの割合でアミノ酸が数個くっついたペプチドという形で吸収され血液中に長時間存在していることがわかったのです。

さらに、「プロリン-ヒドロキシプロリン(P-O)」「ヒドロキシプロリン-グリシン(O-G)」という2つのペプチドが、特に多く吸収されることが明らかになりました。

吸収のカギとなる「O」

「O(ヒドロキシプロリン)」は「コラーゲン特有のアミノ酸」で、すべてのペプチドに含まれています。Oを含むペプチドは特殊なつながり方をするため「タンパク質分解酵素が作用しにくく、ペプチドのまま吸収される」というわけです。

コラーゲンペプチドの構造

ペプチドのゆくえ

コラーゲンペプチドの中でも「P-O」に目印をつけてラットに食べさせ、カラダのどこにそのペプチドが運ばれるのかを確かめる研究では、「骨・関節・皮膚に運ばれている」ことが確認されました。また、そのペプチドがどこまで届いたのかを調べると、「細胞レベル」まで届けられることが明らかになったのです。

人間においても同じように、血中に溶け込んだペプチドは、血流にのって「カラダの各部位の細胞まで運ばれていく」のではないかと推察されます。

コラーゲンペプチドは命令の発信源

こうしてカラダ中の細胞に運ばれたコラーゲンペプチドは、以前は「カラダのコラーゲン組織をつくる材料になる」と考えられていました。しかし今は、「コラーゲンペプチドが何らかの“シグナル(命令)”を細胞に送り、その細胞を活性化させる」という考え方が主流になっています。

シグナルの実体や具体的なメカニズムはまだ明らかになっていませんが、線維芽細胞や軟骨細胞がコラーゲンを活発につくり出すための環境を整えたり、組織に弾力を与えるヒアルロン酸の生長を促したり、細胞の分裂を促したりするための命令を発信しているのではないかと考えられています。

そしてこの命令は、細胞のもっとも外側にある細胞膜に、その窓口があるのではないかと予想されます。図のように、ペプチドを細胞内に入れる通路(トランスポーター)や、ペプチドを細胞内の物質と反応させるための受け皿(レセプター)といったものによって細胞核へと伝わり、命令は受け取られると考えられます。

カラダの中のコラーゲンペプチドと命令

※『コラーゲン完全バイブル』(真野博著、幻冬舎メディアコンサルティング)より

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