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筋肉は何もしなければ、加齢により減っていきます。太りにくい体にするには、日常的な動き(NEAT)を意識して動く、また運動や筋トレを継続することが大切です。

カラダを動かすことでリバウンドしないダイエットに

カラダを動かす

座っている時間がダイエットの決め手

アメリカのメイヨクリニックという総合病院で面白い実験をしています。

行動がわかる計測器を下着に付けて1日の行動を調べた結果、肥満気味の人はやせ気味の人よりも1日2.5時間長く座っているとのことです。

これ、わかる気がします。1日のうち、自分はいったい何時間座っているんだろう、と考えてみて下さい。座るより立っている方がより多くの筋肉を使い、エネルギーも消費します。
こういう習慣は毎日積み重なっていくので、影響が大きいのです。

ご飯を作りながらテレビを見て、結局30分立ったまま見終わった、というようなことありませんか。こういう方は太りにくい体質になっていきます。オフィスでも同じです。

最近はスタンディングデスクを導入し、立ったまま仕事をする会社も増えてきています。座位時間が長くなると、肥満だけでなく、ガン、糖尿病になりやすく座位時間が9.5時間をこえると、メンタルヘルスのリスクが2倍になるとのことです。特別な運動をしなくても、座っている時間を減らすことで、ダイエットにつながります。

日常の小さな動作も効果あり

さて、質問です。
「ねえ、〇〇取ってきてくれる?」と言われて、あなたはすぐに動くタイプでしょうか?
それとも、「うん、あとで」と言って、後回しにする方ですか?

すぐに取ってくる人は、おそらく日常生活でちょこまか動いている人です。
大した動きではないのですが、このような「運動以外の日常の小さな動き」を積み重ねると、脳が「この人はよく動くから筋肉が必要だ」と判断するそうです。

一方、用がいくつかまとまったら「しょうがないな~」と立ち上がってゆっくり動く。こういう人の脳は「この人はあまり動かないから筋肉は少なくて十分」と判断する。カラダは省エネを旨とするので、無駄な筋肉は付けません。
そして、筋肉が減ると、太りやすい体になってしまいます。

ジョギングも筋トレもとても大切です。
しかし、実は日常のカラダの動きが少ないことがダイエット成功の大きな壁となっていることがあります。
このような日常の動きを「非運動性熱産生(NEAT、non-exercise-activity thermogenesis)」といいます。地味な積み重ねですが、痩せやすいカラダ作りには大事なポイントです!

ほっておくと筋肉はどんどん減る!

長く座らない、ちょこまか動く、ときましたが、次は筋トレです。
次の図をご覧ください。

筋肉量の変化率

出展:老年医学会雑誌第47巻1号 谷本ら を一部改変 https://www.jstage.jst.go.jp/article/geriatrics/47/1/47_1_52/_pdf

足の筋肉は20代から減り始め、体全体では50歳を過ぎると減り始めます。

筋肉が減ると、基礎代謝が減り太りやすくなります。
また、エネルギー産生が低下し、その結果、疲れやすくなります。

本当は、20歳までに筋肉をできるだけ多く貯金してほしいのですがそれ以上の年齢の方は、今の筋肉を減らさない最大限の努力をお勧めします。

筋肉が重要なんです。

特に足の筋肉は減りやすいので、スクワットは必須トレーニング。毎日何かしらの筋トレをする習慣を作り、若々しくスリムな体形を目指しましょう。大事なことはあきらめないこと!! 

運動をすると脂肪細胞の質がアップする

運動をする

そもそも、適量の脂肪細胞は悪者ではなく、健康を促進する善玉アディポサイトカインという物質を遊離します。
たとえば、レプチンという物質は「もうお腹いっぱい」と食欲を止めてくれます。

しかし、脂肪細胞が一定量を超えてしまうと、脂肪細胞からカラダを悪くする悪玉アディポサイトカインがどんどん放出されます。血圧を上げろ~、とか、インスリンがでても効かなくしてしまえ~、とか、嫌ですよね。
どうしてこんなに悪くなっちゃうかというと、脂肪細胞の奥まで毛細血管が行き渡らず、低酸素状態になり機能不全になるからです。

運動をすることで、体中の血行がよくなり、脂肪細胞へも血液(酸素)が届き炎症や酸化ストレスが減り、機能が正常化します。お腹周りの内臓脂肪は運動により減りやすいので、やはり運動は欠かせません。

監修

武藤順子先生プロフィール

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