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時間をかけてゆっくり噛む、噛む回数を増やすなど「よく噛む」ことはダイエットにつながります。噛むこととダイエットのメカニズム、おすすめの食材などをご紹介します。

噛むだけダイエット

噛むだけダイエット

30回噛んで痩せる

噛むだけで、様々なメカニズムを介してダイエット効果が得られます。ただ、噛むだけですよ。

気を付けるポイントは2つ。

1つ目は、なるべく硬い食材を選ぶこと。
人参サラダとかゴボウとか、噛みでのあるものを毎日食べましょう。
柔らかいものばかり食べていませんか?

2つ目は、一口30回噛みましょう。
出ました、この無理難題。
もちろん、やわらかいものは、とても30回なんて噛んでいられません。でも噛みでのあるもの、例えばナッツとか、口の中でドロドロになるくらい噛むと、だいたい一口30回くらいと相場が決まっています。論文を見ると、世界的にも30回が多いです。

いったいどんな理由で痩せるんでしょうか?
順を追ってみてみましょう。

1.早く満腹になる

たとえば、人参サラダ。

よく噛んで食べ始めて15分くらいたつと、意外にもお腹がいっぱいになってきます。まだご飯もお味噌汁も食べていないのに・・・
これは、噛むことで脳内にヒスタミンという物質が出てきて、ヒスタミンが脳の満腹中枢という部位を刺激して、そろそろお腹いっぱい、とシグナルを出してくれます。

裏を返すと、速食いの人は満腹中枢に刺激が行く前に沢山食べ終わってしまうんですね。
そりゃ太ります。

2.血糖値の上昇が抑えられる

血糖値の上昇

長く噛んでいると、当然食事の時間も長くなります。
そうすると、胃に流入する時間もゆっくりになり、腸からの糖の吸収もゆっくり、つまり、血糖値が上がりにくくなります。

ゆっくり食べて下さい、と言ってもなかなかゆっくり食べられない人は、噛む回数を増やすことでゆっくりしたディナータイムになりますよ。

3.脂肪がつきにくくなる

血糖値が上がりにくいと、インスリンの分泌が少なくてすみます。
インスリンは脂肪をため込む方に働くので、噛む回数を増やすことによって、逆に脂肪がたまりにくくなります。ありがたいですね。

4.消費エネルギーがアップする

噛むことで、交感神経が活発になります。昼の時間は交感神経が活発になります。心臓の動きも活発になり、血圧が上がり、涙液など分泌も増加し、筋肉も動きやすく、消費エネルギーも増えていきます。噛むことでさらに活発になるわけです。

最近、朝食を食べず、昼に体をあまり動かさない人をよく見かけます。そういう人は、昼なのに交感神経があまり活発になりません。そして本来、夜は副交感神経にスイッチすることで、リラックスして眠くなるのですが、昼間あまり活発でない人は、このスイッチがうまく働きません。

噛むことからちょっと離れますが、痩せるためには、昼思いきり体を動かし、活発に時間をすごすことが大切です。夜はリラックスしてぐっすり眠れますよ。

5.噛むことは腸活である

よく噛むと、小腸にたどり着くころには食べ物はドロドロのいい状態になります。逆に、あまりかまない人は、未消化の食べ物が腸にはいります。

腸はとてもデリケートなので、未消化の食べ物が来ると、腸内環境が悪化して、悪玉菌が増えてしまいます。その結果、太りやすい体質になるのです。

消化は口から始まっています。騙されたと思って、一口30回噛んでくださいね。胃腸の悪い人も、きっとカラダが楽になりますよ。

硬い野菜は絶好のダイエット食

スティック野菜

噛む練習としてお勧めなのがスティック野菜です。

人参、大根、きゅうり、なんでもざっくり切ってお味噌やマヨネーズで食べましょう。これなら30回噛むこともできると思います。

人参の千切りサラダもおススメです。
人参小1本の千切りの上にスクランブルエッグ2個分、アーモンド数粒のせて食べます。アゴが疲れるくらいよく噛むことになるでしょう。

キャベツのざく切りもダイエットにおススメでです。
塩昆布、ごま油、白ごまであえた居酒屋メニューも食感が楽しいです。
以前、キャベツダイエットが流行りました。食事の前にキャベツの千切りを沢山食べる、という方法でしたね。
健康な人はいいのですが、甲状腺機能が低下している人は、キャベツを生で沢山食べると、ゴイトロゲンという成分が甲状腺ホルモンの産生を妨げてしまいます。一つの食材に頼らずに、バランスよく色々な食材を使いましょう。

野菜を多く食べる人は、疫学調査により、太りにくく健康になることがわかっています。
1回の食事で、両手のひらに乗るくらいの野菜をとるのが目安とされています。わかりにくいですが、小鉢で5-6皿食べればだいたいそのような量になります。

野菜にちなんでビタミンのお話をします。

ダイエットで最も必活躍するのはビタミンB群です。
脂肪だけでなく、タンパク質も糖質も、代謝されて最後は同じ経路に入りエネルギーを作ります。この代謝の過程で、様々なビタミンB群が補酵素として働きます。B1、B2、B6、B12、ナイアシン、ビオチン、パントテン酸など。代謝経路のあちこちでB群は大活躍。
ビタミンB群はレバー、牛肉、豚肉、カツオ、マグロ、バナナ、ナッツなどから摂ることができますが、胃酸が少ないとビタミンの吸収も悪くなります。食前の梅干しやレモン水は、ビタミンの吸収も役立ちます。

野菜にはビタミンA(にんじん、ホウレン草など)、ビタミンC(ブロッコリー、ゴーヤなど)、ビタミンE(アボカド、カボチャなど)が豊富に含まれます。また抗酸化物質であるポリフェノール(お茶のカテキン、ナスのアントシアニン、チョコレートのカカオポリフェノール)やカロテノイド(トマト、ホウレン草など)も含まれます。

様々な色の野菜を摂るように心がけるのも、一つのチェック方法になります。

  • 赤:トマト、赤パプリカ(リコピン)抗酸化効果、老化防止
  • オレンジ:カボチャ、人参(カロチン)粘膜保護、風邪予防
  • 緑:ほうれん草、ブロッコリー(クロロフィル)デトックス、抗菌
  • 紫:紫キャベツ(アントシアニン)抗酸化効果
  • 白:玉ねぎ、大根(硫化アリル)疲労回復、風邪予防

買ったことのない野菜に挑戦したり、カラフルな野菜で食卓を彩りながら食を楽しむ工夫が、ダイエットにも大切なんですね。

監修

武藤順子先生プロフィール

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