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コラーゲンペプチドと血管、血圧についての研究実験をご紹介します。

コラーゲンペプチドのエビデンス evidence.8 血管・血圧

コラーゲンと血管・血圧

コラーゲンペプチドの動脈硬化改善作用の有無

要介護となる原因疾患として重要な脳卒中、認知症では動脈硬化が関与しています。一方「コラーゲン」は動脈における重要な構成成分であり、中膜の大部分はコラーゲンでできています。コラーゲンペプチドを経口摂取するとアミノ酸だけではなく、アミノ酸のジ・トリペプチド体が血中に移行することが明らかになっており、動脈硬化においても有益な作用のある可能性があるため、コラーゲンペプチドの動脈硬化改善作用の有無を脈波伝搬速度検査で検証しました。

実験:豚皮由来コラーゲンペプチド投与による血圧測定、脈波伝搬速度検査

愛媛大学附属病院の抗加齢ドックを受診した70名(平均年齢72±8歳、男性18名)を対象とした。対象者を無作為に(A)実薬群:豚皮由来コラーゲンペプチド(ジペプチド高含有品)2.5g、(B)プラセボ群:ホエイプロテイン2.5gのいずれかに割り当て3か月間連日投与した。投与前後で一般採血に加えて血圧測定、脈波伝搬速度検査を行い両群の差を検討した。

実験結果

エントリーした70名中64名が試験を終了できた。両群ともに問題となる採血異常は認めなかった。実薬群(29名、男性5名)ではプラセボ群(35名、男性9名)と比較して3か月後の脈波伝搬速度が有意に改善した(実薬群 -5.7±6.9% vsプラセボ群 -0.1±8.6%, p<0.05)、3か月後の収縮期血圧に関しては両群に有意な差は認めなかった(125±17mmHg vs 130±18mmHg)。脈波伝搬速度の改善率に関連する因子を重回帰分析で検討した結果、年齢、性別、開始前の収縮期血圧、収縮期血圧の変化率などと独立して実薬群であることが有意な説明因子として選択された。

まとめ

豚皮由来コラーゲンペプチドには血圧改善作用とは独立した動脈硬化改善作用があることが示された。

関連リンク:「血管力」を上げる生活術

血圧の上昇を抑える

高血圧症のラットに、コラーゲンペプチドを与えると、血圧の上昇が抑えられたという結果が得られています。血管の弾力性がアップしたことと、血圧をあげてしまう体内の物質を抑制していることにより血圧を抑制していると考えられます。

血管内皮細胞の活性が抑えられると、コラーゲン代謝異常を起こすことになります。そうすると、血管の老化を招くことになり、血管が硬くなり血圧が高くなる一つの原因となります。

コラーゲン由来のペプチドが血管内皮細胞を活性化するようにシグナルを発し、正常な新陳代謝ができ、血管の弾力が保たれるものと考えています。 同時に、コラーゲンをはじめとする様々なペプチドには、血圧を高くする原因となる物質(アンジオテンシン変換酵素)を阻害して高血圧を防ぐという働きがあることがわかっていますので、コラーゲンペプチドを摂ることでこれらの複合的な効果も期待することができると考えられます。

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