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睡眠時間とダイエットは、深~い関係があります。興味を持つ人が多いのか、世界中の研究者が、睡眠と肥満の関係を調べているんですよ。面白いですね。

寝ている間に痩せる!あなたの睡眠は大丈夫?

自分を褒めると痩せる

一番やせるのは7時間睡眠

あなたは、1日何時間寝ていますか?
長く寝れば、そのあいだ何も食べないから痩せるんじゃない?いやいや、寝る時間を短くすれば、活動時間が増えるから、食べないで起きていたら痩せるでしょ?

実は、睡眠時間とダイエットは、深~い関係があります。興味を持つ人が多いのか、世界中の研究者が、睡眠と肥満の関係を調べているんですよ。面白いですね。

コロンビア大学の研究(SLEEP,Vol.28,No.10,2005)では、睡眠時間と肥満(BMI)の関係を32歳から49歳の男女、約9000人を対象に調べています。BMIはボディマスインデックスといって、体重÷身長(単位メートル)÷身長で計算する、肥満指数です。すると、なんと、睡眠時間が4時間以下の人は、7時間睡眠の人と比べて2.4倍も太りやすいことがわかったのです。

1日5時間睡眠の人は1.6倍、6時間睡眠の人は1.3倍、太りやすいという結果になりました。

そう言えば、仕事が忙しくて、睡眠時間が短い人は、目の下にクマができるだけじゃなくて、全体的にむくんだ印象がありませんか?短時間睡眠を続けると、太りやすくなることは、どうも明白なようです。

では、長く寝た場合はどうでしょうか?
1日8時間睡眠だと、7時間のBMIと同じような結果でしたが、9時間も寝ると、若干BMIが高くなるようです。統計処理をすると、差があるとは言えない程度ですが。

ということは、1日7~8時間の睡眠をとるのが、最も太りにくいということになります。食事もがんばっている、運動もしている、何故やせないんだろうという人、寝る時間を増やしてみてはいかがでしょうか?

睡眠が短いと食欲が増す!

自分を褒めると痩せる

どうして睡眠時間が短くなると太りやすくなるのかは、実はよくわかっていません。しかし、今、もっとも確かだと思われているメカニズムが、スタンフォード大学とウィスコンシン大学の共同研究(Taheri S, et al.:PloS Med,1(3))であきらかになりました。

それは、睡眠時間が短くなると、食欲がでてしまうそうです。私たちの胃からはグレリンという食欲を増すホルモンが出ます。5時間しか寝ていないと、8時間寝た人と比べて、このグレリンの量が15%多く放出されるのです。

寝不足の時に何か食べたくなる、それは自分が弱いのではなく、ホルモンのせいだったんですね。

もう一つ、ダイエットに欠かせないホルモンがレプチンです。レプチンは満腹中枢を刺激して「もうお腹いっぱいだよ~」と教えてくれる、とってもありがたいホルモンです。睡眠時間が短くなると、このレプチンが約15%落ちてしまいます。すると、いつまでもお腹いっぱいにならないで「もっと食べたい!」という状態になります。困りますね~。

成長ホルモンが脂肪を燃やす

寝ている間に、レム睡眠とノンレム睡眠を繰り返すことは、みなさんご存知だと思います。ノンレム睡眠の時に、脳から成長ホルモンが出るのは知ってますか?

成長ホルモンは、名前の通り骨や身長を伸ばしてくれるホルモンです。寝る子は育つという言葉が、本当にぴったりですね。

しかし、この成長ホルモンは、大人になっても出ています。成長ホルモンには様々な作用がありますが、その一つが「脂肪の燃焼を高める」です。寝ている間に、体脂肪が代謝されて消えていきます!

寝ないなんて、本当にもったいないこと。笑

実は、成長ホルモンは筋トレをしても放出されます。きつい腹筋やスクワット、ウェイトを付けたトレーニングなどをすると、筋肉内に乳酸が溜まり、これが脳への合図となり、成長ホルモンが出る、こういうメカニズムになっています。

しかし、こんなきつい筋トレをしなくても、夜しっかりと寝ることで、成長ホルモンがちゃんと出てくれます。睡眠を利用しない手はありません。

成長ホルモンは、他にも、血糖コントロールや、カラダの恒常性の維持にも役立ちます。美肌効果も期待できます。昼は筋トレ、夜はノンレム睡眠という組み合わせも悪くありませんね。

ダイエットというと、有酸素運動ばかり注目されます。しかし、筋トレをして成長ホルモンを出して脂肪の燃焼を促すことでもダイエット効果は得られます。お好きな運動と睡眠を組み合わせたライフスタイルを作っておくと、一生若々しい体形でいられます。

糖質制限をすると睡眠時間が短くなる

睡眠時間は7時間とりましょうと書きましたが、完全な糖質制限をすると、睡眠時間が短くても元気で過ごすことができます。睡眠時間は3時間で十分という方もいらっしゃいます。

完全な糖質制限は、このメソッドではお勧めしません。しかし、今までご飯、ピザ、菓子パン、お菓子などの糖質を沢山摂って来た人が、糖質を減らした食生活を送ることで、睡眠時間が短くなる傾向はあります。

生活のサイクルや健康に関しては、個人差が大きいので、睡眠時間も多少のずれはあると思います。

しかし、ここでお伝えしたいのは、ダイエット中の寝不足はもったいない、ということです。

睡眠時間と死亡リスクを調べた研究によると、7時間が最も死亡リスクが低く、多くても少なくても、リスクは高くなりU字型のグラフになります。

7時間睡眠を一つの目安と考えて、ご自身の1日の過ごし方を見直してみてはいかがでしょうか?

監修

武藤順子先生プロフィール

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