櫛部静二監督 ランナーズコラム 03
ランナーズコラム 03 トレーニングによって得られる生理的変化について 寒さも徐々に和らいできましたが、元気にトレーニングに励んでいるでしょうか。例年であればロードレース大会などのシーズンですが、今年はコロナの影響により多くの大会が中止となっていると思います。こんな時こそ鍛錬期と考えて、トレーニングに取り組んではいかがでしょうか。 さて、今回は長距離走のトレーニングによって得られる生理的変化についてお話ししましょう。 身体の中では心臓、血液、筋肉など様々な部位で変化が現れます。漠然と走るよりも理解して行うと日々のトレーニングもやる気が高まること間違いなしです。 心拍出量の増加 当然ですが、走っている時は、身体を動かすためのエネルギーを必要とします。 特に長距離走は短距離と違って強度が低いため、そのエネルギーは酸素を利用した供給方法を主としています。走行中に息が上がるのは、その酸素の利用と利用後の二酸化炭素を排出しているからです。速度が高まればより多くの酸素が必要となりますので、呼吸数を増やして酸素を肺に取り込んで血液へ送ります。それを筋肉へ送るために心臓を活発に働かせます。一連の機能の働きによって心拍数を増やしてエネルギーを供給しているのです。持久的なトレーニングを長期間行うと、これまでのよりも楽にできるようになるのは、心拍を重ねていくにつれて心筋が強化されて、1回での拍出量が増加して末梢へより多くの血液を送れるようになるからです。 心拍数が高いままだと心臓へ負担をかけるため軽減させる適応反応といえます。 血液量と赤血球の増加